study研究成果
【参考資料】東京大学 広域設備ネットワーク 標準データモデル形式
2019/12/18東京大学 広域設備ネットワーク 標準データモデル形式
作成日: 2014 年 7 月 3 日
更新日: 2014 年 11 月 26 日
作成者:エネルギー管理における通信規則整備検討 WG
(江崎主査、赤司、柳原、落合、豊田、TSCP 室)
1.背景と目的
TCP/IP 上の設備ネットワーク通信技術を用いて、学内に存在する多数の設備(電力、空調、照明)の統合的な監視・操作(管理)が実現可能となりつつある。その結果、オープンなインターフェースを用いて、新たなソフトウェアを導入するによって、電力需要の調整機能を実現したり、無駄な設備運転を減らす機能を実現することが可能になってきている。電気代高騰への対応、CO2 排出規制の遵守、電力会社から依頼される需要調整への対応など、東京大学のキャンパス施設に課せられた課題を解決するためには、設備監視・操作のインフラストラクチャのオープン化を前提とした環境整備は重要かつ急務である。
本規格書は、東京大学において、設備インフラを構築する上で、適切な「統一的な設備モデル」を提案するものである注1。具体的には、電力メータ、空調機(個別分散空調)、照明に焦点を絞り、これらの機器を監視したり、稼働状態を操作したりするための、学内における標準モデルを定め、設備
の調達条件として用いることを目的としている。 原則として、以下の 3 つのルールに基づいた調達の条件とする。
1. 国際標準に準拠した技術・アーキテクチャとし、相互接続性を確保する。
2. 特定ベンダーに影響されないオープンアーキテクチャとし、継続性を確保する。
3. フィールド、データストレージ、アプリケーションの 3 層構造をマルチベンダー環境で構築し、汎用性を確保する。
通常、設備(空調や照明)には、ローカル系と呼ばれる自律的な監視制御機構が組み込まれている。例えば、空調機であれば、冷媒温度の監視や室外機のインバータ周波数の制御などは、空調システムの内部で自律的に行われている。一般に、空調機ではこのようなローカル系で扱われる多量のパラメータ値の読み書きは、設備納入業者の独自技術となっておりその技術仕様はオープン(公開)とはなっていない(or ならない)のが一般的であり、本規格書ではこの部分は対象とはしないが、今後のローカル系設備の導入の際には、国際・グローバル標準に準拠したシステムとする標準するものである。具体的に、本規格書において議論しているのは、設備の ON/OFF や設定温度などの「遠隔管理制御(リモコン)」に相当するインターフェースのオープン化と標準化である。
本規格書は、これらのオープンインタフェースを学内システムにおいて標準化することを目的とするものである。パッケージ化された機器を念頭に、広く使われている設備として電力メータ、空調、照明を取り上げ、そのモデルを設定し、その導入と普及・利用を目指すものである。なお、このモデルに従わない機器・装置・設備も実際には存在しえるが、本規格書に準拠したシステムとの相互接続と統合化を実現することを推進する。
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1 本規格書は、東京大学での電力管理を前提としたものである。また、緩やかな設備運転の調整やデマンドコントロールなどのエネルギー管理を狙いとしたものであり、それ以外のアプリケーションで利用する場合には、情報管理の観点のみならず、技術仕様の適合性に関する検討や確認が必要であると考える。