study研究成果
サーバ室構築ガイドブック
2018/10/15GUTPでは、インターネット技術を用いて、建物のスマート化と効率化、さらに、高機能化を目指して、アーキテクチャと技術の研究開発と実証実験事業を行ってきました。その中で、コンピュータシステム、特に クラウド技術の戦略的な利用、データセンターの戦略的な利用を提言してきました。 このような活動の一環として、サーバ室の効率化を実現するための技術仕様の検討と策定を行っています。
[1] 東京大学におけるサーバ室の効率化 ガイドライン
2014年4月に、東京サステイナブルキャンパスプロジェクト(TSCP)室 注1 の主催で開催された「東京大学 エネルギー管理ネットワーク」の会合で、BEMS/SEMSの通信規則を検討するTSCP産学連携研究会を立ち上げることになりました。
名称: エネルギー管理における通信規則ルール化検討WG
内容: ネーミングコードを学会標準に基づき本学(東京大学)ルールを整備する
構成: 江崎(主査)、赤司先生、柳原先生、落合先生、BEMSアグリ、電気設備学会
検討結果は、2015年夏に東京大学の科所長会議で承認されました。
(1) エネルギー管理ネットワークの整備に向けた基本方針
(2) 東京大学 広域設備ネットワーク 標準データモデル規格
◆本規格書は、東京大学において、設備インフラを構築する上で、適切な「統一的な設備モデル」を提案するものである。具体的には、電力メータ、空調機(個別分散空調)、照明に焦点を絞り、これらの機器を監視したり、稼働状態を操作したりするための、学内における標準モデルを定め、設備の調達条件として用いることを目的としている。原則として、以下の 3つのルールに基づいた調達の条件とする。
① 国際標準に準拠した技術・アーキテクチャとし、相互接続性を確保する。
② 特定ベンダーに影響されないアーキテクチャとし、継続性を確保する。
③ フィールド、データストレージ、アプリケーションの3層構造をマルチベンダー環境で構築し、汎用性を確保する。
◆「標準データモデル規格」は、他大学との交流の機会を利用して提供された。
さらに、東京大学におけるコンピュータ施設の電力消費量が大きく、また、今後の増加が予想されるので、「サーバ施設高効率化方策検討WG」が、TSCP室の主催で、2015年12月15日 にキックオフされました。 2016年12月12日に、「サーバ施設高効率化に向けたガイドライン」を完成することができました。
本ガイドライン(167ページ)は、以下のメンバーで執筆されました。
作成者: TSCP産学連携研究会 サーバ施設効率化方策検討WG
主査: 東京電機大学 (前 東京大学) 柳原 隆司 教授
メンバー: 東京大学 江崎浩教授、玉造潤史准教授、小林博樹講師
東京大学 施設部 北澤理
NTTコムウェア 尾西弘之、由川秀明、中野歩、大和田明志
竹中工務店 小林哲雄
日本電気 中井康博、河戸邦雄、岡田圭一
日東工業 細谷明裕
日比谷総合設備 高橋慎一、坂尾健一、内園修二
富士通 藤巻秀明、高橋晋
Future Facilities 池田利宏
宮川製作所 金津潤
事務局 東京大学 TSCP室 迫田一昭、山田崇司
本 ガイドラインは、大学におけるコンピュータ施設およびサーバ室に焦点をあてたもので、一般的な データセンターに適用するには、修正作業が必要でした。
注1: http://www.tscp.u-tokyo.ac.jp/
[2] JDCCとの連携による 「サーバ室構築ガイドブック」注2
データセンターにおける省エネは、データセンター事業の財務的観点から非常に重要な施策の一つに位置付けられます。 しかし、それだけではなく、GAFA+M/BAT注3 データセンター産業およびクラウド産業の急成長とともに、クラウド化と半導体技術の飛躍的なイノベーションが実現さています。 その結果、データセンターにおける総電力消費量の激増に加えて、サーバ・ラックにおける高密度化が急進展しています。 具体的には、1ラックあたりの電力消費量が1kVA以下が一般的だった状況は一変し、数十kVA、さらには、50KVAクラスの高密度実装が必要とされるようになってきています。
このような状況に対応するために、JDCCとGUTPが連携して、「サーバ室構築ガイドブック」の執筆を行う 「サーバ室ガイドブックWG」 を、2017年1月にキックオフさせました。 主査は、NTTコムウェア 尾西弘之氏 です。
2018年10月12日に、Preliminary版注4 を公開しました。
総監修: JDCC運営委員長/GUTP代表 江崎浩
監修: NTTコムウェア 尾西弘之 (WGリーダ)
大谷技術士事務所 大谷淳一
エディタ:
(株)IDCフロンティア 山口 巌、中西 重能
アズビル(株) 奥田 環
(株)市川技術士事務所 市川 孝誠
SCSK(株) 諸田 信也
NECフィールディング(株) 鈴木 聡、大河内 和久
NTTコミュニケーションズ(株) 本橋 寿哉、西田 信一、喜原 光宏、
初田 剛
NTTコムウェア(株) 由川 秀明、小松 和彦
NTTデータ先端技術(株) 村 文夫
(株)NTTファシリティーズ 川口 晋、児玉 和之、西田 龍一
共同カイテック(株) 古賀 康司
さくらインターネット(株) 大澤 喜友
ソフトバンク(株) 三輪 耕司、荒井 皇輝、鈴木 朋久
ダイキン工業(株) 加井 隆重、堀 靖史、原 正務
(株)竹中工務店 小林 哲雄
(株)中央製作所 佐藤 敏博、竹田 量平
デルタ電子(株) 小林 貴雄、Kevin Chan
(株)データドック 岡本 洋一
(株)TOKAIコミュニケーションズ 中林 洋士
日東工業(株) 細谷 明裕
日本電気(株) 岡田 圭一、来住野 剛
能美防災(株) 金澤 学
(株)野村総合研究所 布施 勝
パンドウィット コーポレーション 新田 貴代志、谷 敬二
日比谷総合設備(株) 内園 修二、吉牟田 圭一
富士通(株) 藤巻 秀明、高橋 晋
富士電機(株) 関 秀之、成國 哲仁
Future Facilities(株) 池田 利宏、菅野 れいら
三菱電機インフォメーションネットワーク(株) 石崎 敦士、高橋 裕也
(株)宮川製作所 内池 隼人、高木 伸一郎
東京大学施設部TSCP 田中 覚
注2: JDCCには、NTTやKDDIなどの通信事業者が、種々の理由のため、参加が容易ではない状況なので、GUTPのメンバーとして、本WGに通信事業者の方々が参画することができている。
注3: Google, Apple, Facebook, Amazon, Microsoft, Baidu, Alibaba, Tenent の ハイパー・ジャイアントあるいは ハイパー・スケーラと呼ばれる事業者。
注4: データセンター関係者からのコメントを募集(RFC版: Request For Comment)し、2019年6月に初版の公開を予定している。
以上